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『夏の名残の薔薇』恩田陸。★★★★★☆☆☆☆☆

めっきり読書力が落ちている。 基本的に一度開いた本は最後まで読むのだが、この本は三度ほど挫折して読み直した。 キャラクタは魅力的で、つまり頭の回転が速くて、読みながらふんふんとうなずくことが多かったんだけど、「去年マリエンバートで」の挿入が…

『塩の街』(有川浩)

もう一冊。とても面白かったので、続けて同じ作者の『塩の街』も読んで見た。 塩の意味は見当がついていたんだけれど、ホントにこのワンテーマで押し切ってきたね。 結末は、やはりこれもちょっと詰めが甘い印象。「自分はすごい」とあまりに主張しすぎ。語…

『空の中』(有川浩)

ASIN:4840228248 :image 読んでて感想を書いてなかった。 作者自身が「ラピュタのような」と書いているけれど、ジャンル分けすると航空自衛隊と怪獣ものと青春もの。青春ものに関しては「分かりやすい恋」で、多分こうなろうんだろうなぁ、という流れそのま…

『デルフィニア戦記』(茅田砂胡)

引き続き、異世界もの(?)。 アルスラーンの香りがする。実はすでに三巻目なのだが、感想は後日。

『泣き虫弱虫諸葛孔明』(酒見賢一)

読了。物語は、孔明がようやく出櫨したところで終わってしまう。「ここから赤壁とか馬謖とかあるのに!」と思わないでもないが、後半一気読みだったためだろうか、満腹感がある。たぶん、この物語は続く。続いているのだろう。 なんだか、いつまでも酒見氏の…

『泣き虫弱虫諸葛孔明』(酒見賢一)

を引き続き読み始めた。昨年末に読み始めたのだが、帰省にあいまって一旦置いていたものを再度読み始めた。一旦置いたものを読み始めるのは、最初に読み始めるときよりも、エネルギーが必要になる。 酒見賢一の小説は好きでよく読んでいるのだが*1、この小説…

『波のうえの魔術師』(石田衣良)読了。

第三部の語り口が、「現在から見た過去の物語(当時は……、ってやつ)」になってほっとする。ぼくは、登場人物に自分を重ねてこれからどうなるのかというスリルを楽しむよりも、結論は分かってそこまでの過程を楽しむほうに重点を置いているのだろう。 そんなわ…

『波のうえの魔術師』(石田衣良)

を読んでいる。パチプロで、「でも、この先どうするかねぇ」という青年がふと声をかけられた老人の導きで、投資をはじめる話。株取引を入り口にして、融資にまつわる話が始まったところ。バブルが始まったのが1985年のプラザ合意、はじけたのが1990年?政府…

『ソウルドロップの幽体研究』上遠野 浩平

(詳伝社ノン・ノベル)[★★★★☆] ASIN:4396207859 連作シリーズ第一巻になるのだろう。 というのも、実際のところまだ何も始まっていないから。 主要登場人物になるであろう、怪盗あるいは殺し屋、天才歌手、権力者、保険調査員は登場したが、すれ違い、入れ違…

『空の境界(上・下)』奈須きのこ

(講談社ノベルス)[★★★☆☆] ASIN:4061823612、ASIN:4061823620 ちぐはぐな印象を受けた。 人の生死などの出来事に対する、キャラクタの心の動きの記述が、なんだか薄っぺらい。 理屈として間違っていないけど、「本当にそう思ったの?」とずっと感じ続ける。ひ…

『宙-新宿少年探偵団』太田忠司

(講談社ノベルス)[★★★★★★☆☆☆☆] ASIN:406182385X新宿少年探偵団はこれで完結。落ち着くべきところに落ち着いたなぁ。この物語世界のひとつ未来(ひとつの「解」)として納得できた。起こった事は気宇壮大なのに、小さくまとまってしまった印象をもつのは、物理…