『ソウルドロップの幽体研究』上遠野 浩平

(詳伝社ノン・ノベル)[★★★★☆] ASIN:4396207859

連作シリーズ第一巻になるのだろう。
というのも、実際のところまだ何も始まっていないから。
主要登場人物になるであろう、怪盗あるいは殺し屋、天才歌手、権力者、保険調査員は登場したが、すれ違い、入れ違い、掛け違いっているうちに本書は終わる。

結局のところ、現実とは違う法則が支配している世界が背景として描かれてい「違和感」は「違っている」けれど「間違っている」レベルまでいっていないから、問題として立ち上がってきていない。

キャラクタ紹介のような一冊であるが、それでも本書が面白いのは、書かれている内容と分量が一致していることだろう。難しすぎず易しすぎず、明確すぎず曖昧すぎず。

あと、呪いについては、受け取る側の意志の問題かな、と思う。
呪いにかかりたいってどこかで思っているのではないだろうか。それはコントロールできない領域の感情だろうか?

それにしても、上遠野のあとがきはおもしろいなぁ。。。