『空の中』(有川浩)

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読んでて感想を書いてなかった。
作者自身が「ラピュタのような」と書いているけれど、ジャンル分けすると航空自衛隊と怪獣ものと青春もの。青春ものに関しては「分かりやすい恋」で、多分こうなろうんだろうなぁ、という流れそのままで、心地は良いし適度に気恥ずかしいがあまり印象に残らない。しかし、怪獣もの、と書いたジャンルの前提が奇想でそれだけでこの小説は勝っている。
この小説には関係ない事なんだけど、ぼくはエンドマークがついた後の小説世界を想像する事が良くある。「そして二人は結婚して幸せに暮らしました」の続きが大事だろ、と思うように。読者としてのぼくは、その小説内の世界とここにある自分の世界との折り合いをどうやらつけようとしているらしい。
これでは小説家になれないわけだ。SF作家やファンタジー作家の、エンドマーク以降の世界に対する感覚を聞いて見たいものだ。
そうそう。本作の白眉は、土佐弁がとっても暖かかったこと。