『宙-新宿少年探偵団』太田忠司

(講談社ノベルス)[★★★★★★☆☆☆☆] ASIN:406182385X

新宿少年探偵団はこれで完結。

落ち着くべきところに落ち着いたなぁ。この物語世界のひとつ未来(ひとつの「解」)として納得できた。

起こった事は気宇壮大なのに、小さくまとまってしまった印象をもつのは、物理面・心理面から「説明がされすぎている」かもしれない。
「少年探偵団」*1そこでは、説明のつかない不思議な出来事は、「そういうもの」で切り捨てられていた気がする。

太田忠司版の少年探偵団が成長物語になったのは、作者が主人公達の視点で物語を進めたかもしれない。心理が飛躍すると読者は置いていかれる。それを避けるために、ひとつひとつ階段を作らざるを得なくなった。そのことが、主人公の視点で物語を読む読者の驚きを説明できるもの、にしてしまったかもしれない。

*1:僕は怪人二十面相シリーズと呼んでた……。全46巻。乱歩「原作」